誌面連載記事

『のりこのカウンセリングルーム』第六回(6月号)

くるサーチ。2005.6~

30代前半の会社員です。

今の仕事はもともと自分がしたかった仕事なので、入社当初は、仕事すること自体が面白くて、本当に毎日充実していました。
しかし、数年たった今、毎日が追い立てられ、同じことの繰り返しのような気がして仕事に身が入りません。転職も考えたのですが、
何の仕事がしたいのかも思い浮かばず、今はなんとなく続けている感じです。
このままじゃいけないと思いつつ、どうしていいかわかりません。

やりたい仕事について頑張ってこられたのですね。素晴らしいですよね。なのに、今、毎日が同じことの繰り返しだと感じるというのは、きっと、仕事に慣れて自分を振り返る余裕が出てきたということではないでしょうか?仕事を始めたばかりのころは、毎日がめまぐるしく、不慣れな仕事に無我夢中で立ち向かって、自分を振り返る余裕なんてなかったでしょう。
そして今、仕事にも慣れ、そんなに緊張しなくてもこなせるようになってきた。つまり、心のゆとりが出てきたということ。「ひとつのステップを乗り越えて、次の段階へとやって来た」のかもしれません。
 人は、社会の中で生きる動物です。ご自分の仕事が認められ評価されることにやりがいと価値を見出します。でも、時間がたてば、仕事に慣れてくる。まわりだって「この人はこれだけやって当たり前。」的に扱い始めます。「同じ仕事をしているのに、同じくらい好きな仕事のはずなのに、なんだか満足感がない。」なんて状態に陥っちゃいますよね。仕事はできる、それも簡単に。だから考える時間もある。さらに評価が実感として得られなくなる。「あれ?おかしいぞ。あの充実感はどこへ??」です。
マズローさんという心理学者さんがいます。彼は欲求階層表というのを作ってくれてるんですが、人は生理的な欲求が満たされると、安全を求め、次に愛情と所属感を求めます。それも満たされると認められたいと頑張るのだそうです。そしてそれも満たされると、自己実現欲求というものにたどり着く。
つまりこうです。おっぱいがあって、オムツも替えてもらえて、おうちもある。ああ満足だ。となると、パパとママ、家族に愛されたい。もっともっと。そして、認めて欲しい、評価されたい欲求が起こります。そして、最終段階。「私らしさ」を探し始めるのです。
あなたは調度この最後の段階にたどり着いているのかもしれませんよ。方法としては、仕事を変わることは悪いことではないと思います。でも、「このままじゃいけないんだ!」なんていう。やっぱり他人の価値観に乗ったような安易な転職では、きっと満たされないと思いますよ。
せっかくのこのゆとり。ご自分の生き方自体に目を向けてはいかがでしょう?もっと自分らしい生き方の追求です。それは仕事かもしれないし、趣味かもしれない。自分のやりたいことをじっくりと追求し、その中で自分で自分を認めていきましょう。