誌面連載記事

『のりこのカウンセリングルーム』第二回(12月号)

くるサーチ。2004.11~

三十代主婦です。

ずっと仕事をしてきて、結婚、出産。一時的に専業主婦をしています最近、幼稚園前の子どものためにも、同じ年頃の子とあそばせたいと思いあるサークルに入ったのですが、お母さんがたはほとんど転勤族の奥様で専業主婦。途中から入ったせいかもしれませんが、どうも、自分だけ浮いているような気がして気後れしてしまいます。自分だけカラーがちがうように感じて足が遠のいてきました。子どもに楽しい環境与えてやれない自分に悩んでいます。

本当に、母として子供に楽しい環境を与えてやれないのがなやみでしょうか?ただ、自分の現状が苦しくて悩んでいるんじゃないんでしょうか?
新しい環境、新しい立場、そういったものに慣れるのはなかなか難しいものですよね。まして、長く仕事を持っていらした方が、突然母という立場に置かれ、一時的にも仕事から離れるというのは、自分のステイタスや、価値観、アイデンティティーといった、つまり生きがいだとか、存在価値といったところまで揺るがす問題になりえます。職場では評価される自分を実感できますが、家事育児となると、なかなか評価してもらえないのが現実でしょう。

相談者の方は、長く仕事をしていらっしゃったということなので、おそらく社会性のない方であったり、人付き合いの苦手な方ではないでしょう。

少しご自分の心と話をして見ませんか?もしかしたら、ご自分の中に、仕事に対する未練とか、専業主婦という立場に対しての偏見はありませんか?「私は一時的に専業主婦を強いられているけれども、ほんとはちがうの!」この「一時的。」が心の砦になっているのではないでしょうか?「すぐに私はまた仕事を始めるわ。専業主婦なんかじゃないの。」といった具合です。その結果、専業主婦グループに違和感が生じてしまう。でも、実際は仕事から離れているわけですから、働くキャリアウーマングループにも入れません。

これはちょっと危険な状態なんですね、現実の自分の姿を容認できないでいるためにどんどん追い詰められていってしまうからです。

一時的にしろなんにしろ、あなたは今専業主婦として育児をしています。それをきちんと認めてしまいましょう。だって、仕事に復帰しても母親という立場は続くんですから。サークルの専業主婦の奥様たちだって、結婚を機にとか、だんな様の転勤を機に仕事をやめられた、あなたと同じような元キャリアウーマンかもしれませんよ。「これは本当の私の姿じゃないの!」という姿勢ではなく、「これも自分。」そういう姿勢で生きてみたらどうでしょうか?そのほうが楽しいはずです。「仕事をこなす有能な私」と、「真正面から子供と向き合い、子供と共に成長する母としての私」です。なんて豊かな人生でしょう。

前向きに現状を認め、視点をほんのちょっと変えるだけで、転勤族の奥様たちとも、仕事をやめる時の未練や、そのあとの焦りや不安、子育ての苦労や楽しみ、そういった共感がうまれるかもしれませんよ。

だって、サークルが合わなければほかを探せばいいんだし、仕事がどうしてもあきらめきれないならば、子供を預けて職場復帰すればいいんです。そうじゃないんですよね。解決しなければならないのが自分の気持ちだって、きっと気付いていらっしゃるんでしょう。