誌面連載記事

『ココロノオクスリ』VOL.38 恋をしませんか!

くるサーチ。2009.1~

好きな人を目の前にすると、緊張して心臓の鼓動が速まってしまう、そんな経験は誰にでもあることでしよう。
心臓の動きは、自律神経によって支配されているため、自分の意志で胸の高まりを抑えることはできません。
なぜ、心臓が勝手にドキドキするのかというと心臓の拍動が増すと血流も増加し、身体中の筋肉により多くの血液がいきわたるようになります。 さらに気管支も広がるので、たくさんの酸素を取り入れることが可能になります。 すると、瞳孔が大きく広がり、周囲のわずかな変化も見遡さないように目の働きもよくなります。
つまり、好きな人に対する胸のドキドは、どのようなことにも対処できるように、身体が臨戦態勢に入つたという合図だったのです。

では、なぜ、人は特定の人を好きになるのでしょう?
人間の感情(心)は心臓ではなく、脳が深く関わっています。 たとえば、「いい人なんだけれど、異性としては生理的に受け付けない」といつた嫌悪感は、本能をつかさどる視床下部や扁桃核(快不快の感覚をつかさどっています)が働いているために起こります。
匂いとか顔とか身長とか、生理的好みといわれるやつですね。
しかし、顔は好きなタイプではないけれど、相手が億万長者だとわかったとたんに好きになったり、外見はイマイチでも自分と考え方や価値観が似かよっていたりすると好きになることもあります。 これは、人を好きになるときに、脳の前頭葉が働いているからなのです。

恋愛により引き起こされるうきうきわくわくや、会いたくてたまらないといった感情は、脳の中の快楽ホルモン“ドーパミン”が、大量に分泌されるためです。
ドーパミンは覚醒剤に似た分子構造を持つ物質で、脳を覚醒させ、人を幸せな気持ちにさせてくれます。
たとえば、ヒトはお腹がすくと満腹感をえるために食事をとります。 これは食べることでドーパミンが分泌され、結果的に快感を感じとることができるからです。
ドーパミンはいくつかの細胞により分泌されますが、その中でも最大の神経細胞が、前頭葉に繋がっています。 したがって、恋をするとドーパミンが大量に前頭葉に降り注ぎ気持ちよくなります。
その経験が、報酬行動としてまた会いたい気持ちを作ります。
また、ドーパミンには恋愛感情だけでなく、やる気や創造力を活性化させる働きもあります。 恋愛中の男女がいきいき輝いて見えるのは、実はこうしたことも関係しているのです。

皆さん恋をしませんか??