誌面連載記事

『ココロノオクスリ』VOL.28 心理療法の話その3

くるサーチ。2008.12~

カウンセリングルームの中でできること。
前回は、自分と出会うことなんてお話をしました。客観的に自分を判断したり、問題を整理したりするということです。
今回はその2、今の自分にフィットした行動や考え方を身につける。
最近業界で流行っているのは、認知行動療法とか、NLPとかでしょうか。たぶんお聞きになったことがある方も多いかと思います。認知の歪みを改善して、より自分らしく、より多くの可能性を伸ばしながら生きよう!!といった目的の療法です。
小さくなった靴を履きながら、きついきついと文句を言っても靴は大きくはなりませんよね。そして、その小さすぎる靴を履き続けることってどんな意味があるんでしょう?
私たちの思考や行動っていうのは、ほとんど無意識的にあるパターンに沿って行われていることが少なくありません。無意識だから気がつきにくいんです。
そしてそのパターンは幼少期に形成されていたりすることが多いんですよね。
たとえば、子供の時には、従順に「はい!」と大人に合わせていれば「いい子ね!」と誉められたし、ほとんどの願いがかなえられた。その時には最良の方法だったはずなんです。なのに、大人になると自我が出てきて闇雲に「はい!」なんて言えなくなってくる。
でも、なぜか大人になっても反射的に「はい!」って言ってたりするんです。そして辛くなってる。辛いことはわかっても、苦しいことはわかっても、何でそうなるのかがわからないんです。だって無意識だから。
実はその根底には「相手に合わせないときっと嫌なことが起きるに違いない!」とか、「しかられる、こわい」という考えが無意識のうちにあったりする。
でも、どちらも実は自分の勝手な思い込みや、考え方の癖なんですね。
もう大人だから自分で考えていいんだよ。って事が見えないんです。
思い当たることはないですか??こんな経験は結構多くの人が持っているんじゃないでしょうか??
「足が痛くて歩きにくい。」事はわかっても、「靴が小さいから足が痛む」事に気がつくのは難しいということです。カウンセリングを通して、ご自分の無意識的パターンに気がついたら、次はどう変えるかということを検討、実践していきます。
「靴が小さすぎたから苦しいなら、新しい靴を買いに行く。」ということですね。
でも、それは私たちセラピストが決めるわけではありません。だって、いくらフィットしなくても愛着のある宝物は手放せないということもあるかもしれないから。
「快適な新しい靴を買う。」
「好きなデザインのものを選ぶ。」
という選択はもちろんあるわけですが、なかには「そのままでいい」という選択だってあるんですよ。
そのどれであってもきちんと対応していくのが、セラピストのしごとです。